有機農業推進に取り組む近江八幡市の地域おこし協力隊の着任式が5月21日、近江八幡市役所市長応接室(近江八幡市桜宮町)で行われた。
同市は、西の湖をはじめとする豊かな水辺環境やヨシ地、水田などの自然環境を守りながら、資源循環型社会の推進につなげるため、有機農業の推進に取り組んでいる。3月には「近江八幡市有機農業実施計画」を策定し、担い手育成や地域農業の持続化を目指す取り組みを本格化した。
今回着任したのは、安田太陽さんと西川洸さんの2人。安田さんは4月1日から近江園田ファーム(野村町)で、有機野菜の栽培を学んでいる。西川さんは5月1日から百菜劇場(北之庄町)で有機稲作を学び始めた。
大阪府高槻市出身の安田さんは海上自衛隊勤務を経て、動画編集やウェブサイト制作などの仕事に携わってきた。着任式では「日本各地をキャンピングカーで回る中で、農業が地域の自然や文化を支えていると感じた。近江八幡のオーガニックなまちづくりに魅力を感じた」と話す。
現在は収穫や出荷、草刈りなどに取り組んでいるという安田さん。「有機農業は思っていた以上に難しい。雑草管理や虫対策など課題も多いが、SNSやインターネットの知識も生かしながら、地域の魅力や有機農業の価値を発信していきたい」と意気込みを見せる。
西川さんは大阪府枚方市出身。大学で環境ソリューション工学を学び、植物保全に関する研究にも取り組んだ。前職では飲食店の店舗責任者を務めた経験を持つ。「作り手の顔が見える農業に魅力を感じた。農業は食だけでなく、地域や人をつなぐ営みだと思う」と西川さん。「琵琶湖や歴史ある風景に魅力を感じて近江八幡を選んだ。住みやすさも感じている」とも。
現在は苗づくりや代かきなどに取り組み、今後は田植え作業も始まる予定という。「地域の人との関わりを大切にしながら、3年間でしっかり学びたい」と話す。
安田さんの受け入れ先となる近江園田ファームの園田祥大さんは「安田さんは初めてとは思えないほど吸収が早い。コミュニケーションもしっかり取れていて、将来的に地域に残ってくれたらうれしい」と期待を寄せる。
市では、協力隊員が有機栽培の知識や技術を学びながら、有機農産物のPRや情報発信に取り組む予定。