
「国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ2025」が現在、旧伴家住宅(近江八幡市新町3)や琵琶湖の島・沖島などで開催されている。
近江八幡の旧市街地、沖島、長命寺エリアを会場に、美術アーティスト約70人の作品を展示する同イベント。旧市街地は八幡山城の城下町として栄え、近江商人の屋敷が多く残されている。期間中、近江商人の屋敷や造り酒屋、しょうゆ蔵など12カ所を会場として活用する。
旧伴家住宅は江戸時代初期の豪商・伴庄右衛門の本家として建築された建物。中庭には奥中章人さんの作品を展示する。会場では、空気で膨らませた虹色のバルーンの中にエアマットを敷き、来場者は上に寝転んで体全体で作品を感じることができる。
まちや倶楽部(仲屋町中)は「西勝酒造」の旧工場で、酒造りに必要な室(むろ)や蔵が残る会場に作品を展示。山本家(永原町上)には花柄の毛布で作った江頭誠さんの作品などを展示している。
BIWAKOビエンナーレディレクターの中田洋子さんは「空き家となっていた町家を修復、掃除してアート作品を置くことで会場として再生させた。ヨーロッパには古い建物が多く残っているが、日本にはあまり残っていない。近江八幡に残されている歴史的な建造物を再生することで、未来に継承し、『日本人の持つ美意識の回復』と目指している」と話す。
琵琶湖の有人島・沖島では屋外に周逸喬(ジョウ・イーチャオ)さんのバルーン作品などを展示。島の自然や暮らしにアート作品が溶け込んでいる。
今回初めて、長命寺エリアを会場とした。琵琶湖が一望できる「369Tettace Cafe(ミロク テラスカフェ)」には、琵琶湖を借景にした作品を展示している。
旧市街地エリアは観賞パスポートが必要。入場料は、大人=3,500円、学生=2,500円、中学生以下無料。近江八幡市民は3,000円で何度でも入場できる。沖島、長命寺エリアは入場無料。11月16日まで。