
天台宗延暦寺の支院・伊崎寺(近江八幡市白王町)で8月1日、琵琶湖に突き出た約15メートルのさおから修行僧が次々に湖へ飛び込む伝統行事「伊崎のさお飛び」が行われた。
同寺によると、この行は仏道に身を捧げる「捨身」の修行で、報恩や他者救済の祈りを込めて臨む天台宗の行法の一つ。1000年以上にわたり受け継がれてきたという。
当日は11時ごろから、比叡山を巡拝する百日回峰行に取り組む修行僧12人が本堂で大般若経の転読法要を営んだ。12時10分ごろ、上原行照住職が湖畔で経を唱え始めると、白い浄衣姿の僧たちが1人ずつさおの先端に進み、約8メートル下の湖面に飛び込んだ。
初めて参加した長野県・領法寺の副住職、岩田真祐さんは「世界各地で災害や争いが絶えない中、少しでも平和につながるよう願いを込めて飛び込みたい」と話し、通算17度目の飛び込みとなる鳥取県・転法輪寺の住職、羽馬康俊さんは「巳(み)年は再生の年。水に飛び込むことで擬死再生を体感し、皆さんの願いがかなうよう祈りたい」と話していた。