
滋賀県内で近江牛を生産する畜産業者が集まる「2025『近江牛』グランプリ枝肉共進会(第13回)」が6月19日、滋賀食肉センター(近江八幡市長光町)で開かれた。
滋賀県畜産振興協会が主催。県内で近江牛を生産する45の畜産業者が、皮や内臓などを取り除いた牛の枝肉を1頭分ずつ出品した。出品基準は、雌牛が30カ月以上で去勢牛は28カ月以上。今回は雌30頭、去勢15頭が審査に臨んだ。
審査では、全体の73.3%が極上以上と評価された。難航を極めたという審査を経てグランドチャンピオンに選ばれたのは、「まる亀こうし牧場」(大中町)が出品した31.1カ月の雌の枝肉だった。
受賞枝肉は、重量に対して皮下脂肪の割合が少なく、十分な厚みと深みのある色味、きめ細かな表面が評価された。同社は昨年に続き2年連続の受賞で、社長の亀井頌司さんにグランドチャンピオンカップのほか近畿農政局賞と滋賀県知事賞、滋賀県議会議長賞、日本食肉格付協議会長賞の賞状を手渡した。
亀井さんは「血統も良く、大きすぎず、いい枝肉になった。来年もいい牛を育てて三連覇を目指したい」と意気込む。グランドチャンピオンの枝肉は、枝肉単価3,274円で「佐野フーズ」(西生来町)が落札した。
県畜産課の職員は「物価上昇のほか輸入飼料の価格高騰で畜産業界は厳しい状況にある。共進会の開催が近江牛の品質向上や県内の畜産業の活性化につながってほしい」と話す。