音楽イベント「Che’Nelle(シェネル) NIGHTFALL 2025~闇夜に輝く音の軌跡~」が12月13日、近江八幡文化会館ホール(近江八幡市出町)で開催され、子どもたちが出演した。
シンガーのシェネルさんによる単独公演で、当日は1140席が満席となり、シェネルさんは全15曲を披露した。
オープニングアクトとして、ステージには、難聴や自閉症、ダウン症などの子どもたちも所属する「smile rainbow(スマイルレインボー)」の子ども10人が登場。オリジナル曲に合わせてダンスを披露したほか、公演中にはシェネルさんの呼び込み役も務め、会場を盛り上げた。
出演した大久保麟さんは「たくさんのお客さんが見ていてどきどきしたが、楽しかった。手話を覚えるのが難しかったが、笑顔で踊ることを頑張った」と振り返る。澤裕歩さんは「大きなステージだったので、体を大きく動かすことを意識した。これからもステージに立てるように頑張りたい」と話した。
シェネルさんは「スマイルレインボーの子どもたちが自信を持ってステージに立ち、輝くためのスペースが与えられている環境を見ることができてうれしかった。彼らのエネルギーがショーに命を吹き込んでくれた」と話した。「滋賀で多くのサポートがあることに驚いた。誰もが自然体でいられる場所があることは素晴らしい」とも。
公演を主催したVarious Values(ベリアス・バリューズ)実行委員会委員長の池内千代子さんによると、今回の出演は、障害のある子どもたちがメジャーアーティストと同じ舞台に立てる形を模索する中で実現したという。シェネルさんの夫で振付師のマディソンGさんとの協議を重ね、新曲「そのままでいいよ」に込められたメッセージに合わせた演出にした。
スマイルレインボーは2024年8月に活動を開始。これまで県内外で11回ステージに立ってきた。池内さんは「障害のある子どもたちが、メジャーアーティストと同じステージに立ち、一つの公演を共に作り上げたことは、『特別な配慮』ではなく、『共に表現する仲間』として関わる共生の形を示すものだった」と振り返る。「音楽や表現を通して人と人がつながり、互いを認め合う。この取り組みが、共生社会が理想論ではなく、実体験として形にできることを感じてもらう一歩になれば」と話した。